自然米作り

新しい播種に挑戦!ポット苗育法

毎年GWの時期になると、我が家では播種作業を行っています。

秋に収穫するお米達の種を蒔く、非常に大事な作業です。

去年の播種作業の様子はこちらからご覧ください↓

自然農法を始めてからというもの、我が家の播種は毎年同じ方法で行ってきました。

しかし!今年はマサキさんの一声で今までとはまったく異なる播種方法に挑戦する事に。

その名も

ポット育苗法です!

またの名を”みのるポット成苗移植システム” 

マサキさんは通称みのる式と呼んでいます

今回の記事ではポット育苗法の大まかな全貌をご紹介し、最後に挑戦するに至って理由を書きたいと思います。

ポット育苗法とは?

今回行うポット育苗法は、昭和47年に始まり、寒冷地の水稲を中心に普及した独自技術です。

みのる産業株式会社様が提唱している技術であるため、マサキさんはみのる式と呼んでいます。

1穴ずつ独立しているポット苗箱は、苗の密度が一定であるため、生育が揃いやすく、
水稲であれば、種籾を2~3粒播種して葉齢4.5葉以上の「成苗」まで育てることが可能です。

田植えや移植の際は、苗箱から1列分(ポット448苗箱は14株)の苗を土付きで押し出すため、 作業能率が高く、根痛みが少ないのも特長の一つです。

みのるポット成苗移植システム

お米だけでなく、ブロッコリーや玉ねぎ等の野菜にも使用できる凄い技術です!

今回この方法を導入するにあたり、専用の育苗箱や田植え機など、様々な専用の機器をマサキさんは揃えました。本気度が違います・・・!

次の項では軽く、ざっくりとポット育苗法の流れと概要を噛み砕いてご紹介していきます。

苗箱の形状

上の写真は従来の方法で播種を行った後の苗箱の様子です(2021年撮影)。

この方法だと土を苗箱内に均一に敷き、種まきも均一になるように満遍なく苗箱に敷き詰めていくという方法でした。

この従来の播種をマット育苗法と呼ぶことにします。

そしてこの方法から一転、2023年はまるっと播種方法を変えました。

まず肝になるのが苗箱の形状です。新しい苗箱の写真はこちら↓

従来の苗箱と違い、細かい穴が無数に有り・・・

横から見るとこんな感じです。細かいポット状の形をしており、一つ一つのポットに種籾を2~4粒程度入れて栽培します。ポット育苗法と言われる所以(ゆえん)ですね。

一つの大部屋で育てるのではなく、種を細かく分けて個室で栽培するようなイメージです。

それぞれの穴は全て独立しており、苗の密度が一定であるため、生育が揃いやすくなります。

ポット育苗箱の底部には十字型の切れ込みがあり、余分な水分の排水路となります。また根の一部が切れ込みから更に苗床の土まで伸び、養分を吸収するための吸収口となり苗の成長を助けます。

上の写真はマット育苗法で使用していた苗箱です。こうやって見比べると全然形状が違いますよね。

マット育苗法で使用していた苗箱の底にも小さな穴は空いていましたが、ランダムに、そして大量に種がまかれているため、位置によっては穴が無く水はけが悪かったり土まで根が伸びなかったりとムラがありましたが、このポット状の形ならそれぞれ専用の穴があるので、そういったムラが起きることはありません。

作業の流れは色々と割愛しますが(別の記事で詳細は書きます)

土→種→土 の順番で被せます。完成イメージがこちら↓

一個一個のポットに、種が均一(2~4個ずつ)振り分けられ、土をかぶせた状態になります。

種が均一に振り分けられているので、マット育苗法に比べて蒔ける種の数が半分以下になります。

その為必要な苗箱の数は増加しますし、苗床のスペースも広く必要になってくるので、人によってはデメリットの一つになるかと思います。

苗箱だけでなく、苗床もまるっとリニューアル。

写真は去年までの播種作業の様子。

従来の方法だと写真のように乾いた苗床に播種後の苗箱を置き、ビニールシートで養生して完了でしたが・・・

ポット育苗法では苗床にも一手間も二手間も加えていきます。

苗床の周りに水を張り、動力均平機の振動で苗床を均し、根を張りやすくするため田んぼのトロトロの部分を表面に広げていきます。

動力均平機で苗床を均し終わった後は、キャリーで苗箱を積んで移動させて設置していきます。

設置後は写真のように苗箱を押さえつけながら苗床にグ!グ!っと押し付けていきます。

もう人の全体重を乗せるほどに、ガンガンに押さえつけていきます。

苗箱を押さえつける事により、苗箱のポット底部が苗床の土に密着し、土と一体化させる事によって種の成長を促進させる狙いがあります。

マット育苗法とは違い、あえて人の手で田んぼに密着させるので、マット育苗法よりも遥かに土の栄養を吸収できるはずです!自然に寄り添い、ちょっとだけ手を加えていく作業は個人的に自然農法にピッタリな気がします(‘ω’)

マット育苗方は苗床に根を張る事をあまり想定していないので、基本的には苗箱に敷いてある土を頼りに発芽します。上記で述べたようにランダムで種が蒔かれるので、均一に栄養が行き渡り辛いような感覚があり、ある程度苗が育っても小さく弱弱しい姿でした。

ポット育苗法では苗箱の土だけでなく、田んぼの土のちからも借りて成苗させていき、更に苗箱の形状も、ポットから土へのアクセスが良好になるので苗に行き渡る栄養が段違い!なので成苗も早いと考えています。

ポット育苗法に挑戦する理由

除草対策

まずはこの理由が一番大きいです。

我が家で栽培するのは「農薬・肥料不使用」の自然栽培米。

農薬を一切使用しないので、一番ネックになってくるのが除草問題です。

毎年夏の時期に行う除草はそれはもう大変な作業。

マサキさんも除草対策で専用の器具を製作したりと色々試行錯誤してきましたが、やはり辛い作業です。

除草作業をちょっとでも改善できないか・・・。

マサキさんは考えました。

そこで今回のポット育苗法です!このポット育苗法に変更する事で何が大きく変わってくるのか。

それは田植え後に、従来よりも深く水を張れる事です!

順を追って説明してきましょう。

田んぼに張る水が浅いと草が繁殖しやすくなる

マット育苗法で育てた苗は、田んぼに植える段階ではまだ弱弱しく、苗の大きさはとても小さいです。

その為田植え後の水は浅く管理していないと水没して苗が死んでしまいます。

浅くしているということは、その間は田んぼに草が生えやすくなるのです。

つまり、田んぼに張る水の水深を雑草が生えないほどに深くしてやれば雑草の繁殖を抑えられるという事です。

ポット育苗法での目標水深は7センチ以上。従来のものは5センチくらいなので、かなり高く水を張る事ができます。

その為には育苗の時点で従来のサイズよりも大きく苗を育てる必要があります。

今回挑戦するポット育苗法は成苗も早いので、マット育苗法に比べて苗も大きくなります。

大きくて丈夫な苗で、なおかつ早く田んぼに活着(根をはる)する為、草に負けない大きな苗を育てる事が可能になるのです。

従来のマット育苗法だと、体感ですが田植えを行ってから大体一週間ほどかかってようやく活着が始まるのでかなりの違いがあります。

まとめ

色々と書いてきましたが簡単に要点だけまとめると・・・

  • 苗箱の段階から従来よりも苗を大きく育て、
  • 田植え後の水を深水で管理出来るようにして雑草の繁殖を抑え、
  • なおかつ苗の田んぼへの活着を早くする事により雑草にも負けない大きな苗を育てる

以上の事がこのポット育苗法の目的、肝となります(‘ω’)

ポット育苗法は今年が初の挑戦となりますが、この為にマサキさんはかなり綿密に下準備を行ってきました。

日頃お世話になっているメーカーの方や農機具屋さんのご助力もいただき、そして家族のみんなとも協力し、先日無事に播種を終えることが出来ました。

今まで数年間行ってきた作業、しかもお米作りの工程の中でも非常に重要な播種の方法を変更するという事は、マサキさんにとっても大きなチャレンジです。

新しい方法を実践するにあたって機器などの資金や準備の時間、勉強など多くのものを投資し、現状に満足せずに更により良いお米を作ろうとするマサキさんの探求心は本当に凄いと思いました。

トライアンドエラーで日々前進、大事です!

このマサキさんの熱意が形となって現れる日がとても待ち遠しいですね。

作業の様子はまた別の記事でご紹介したいと思います(^^)

どのように成長していくか、今から物凄く楽しみですし、また近況報告もこのブログで発信していきます!

本日も最後まで読んで頂きありがとうございます。

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