自然米作り

【自然の恵み】一粒のお米には七人の神様が宿る

当ブログタイトル「ななしん米」の由来になった言葉

「一粒のお米には七人の神様がいる」

七人の神様というのは、嚙み砕いて言うとお米を作る過程において必要な自然の恵みの事です。

「太陽」「雲」「風」「水」「土」「虫」「人」

宮本武蔵の「五輪書(ごりんしょ)」みたいでかっこいいですね。

本記事ではお米を作る過程で活躍する、それぞれの「神様」について触れていこうと思います。

※個人の考えが存分に含まれています

太陽

古来より数多の信仰の対象になってきた太陽。

エジプトでは太陽神ラー、日本では天照大御神、ギリシャ神話のアポロンetc..

誕生して以来絶えず地球を照らし続けてきた太陽は偉大な母。地球上の全ての生物に恩恵を与えてきました。お米も勿論その恩恵を預かっています。

お米をたくさん収穫する為には、太陽による光合成が盛んに行われなければいけません。

また、稲は暑いのが大好き。太陽が目覚め始めた天気の良い午前中にのみ、その花を咲かせます。

不思議な事に、その開花時間は午前9時から昼の12時頃。

太陽光と太陽によってもたらされる暑さ、その両方が稲にとってはとても重要なのです。

水の循環という面でも多大な影響を及ぼしています。

太陽光に照らされて熱で蒸発した水が水蒸気となり雲となり、やがて山に雨を降らす。

そして山から流れて川を経て水が運ばれる・・・という具合に、田んぼに水を運び込む役割も一役買っています。

自然の営みに無くてはならない神様のリーダー的存在なんですね。

太陽光は必要!と言った手前で申し訳ないですが、何でも「適度」が大切。

現におを太陽の直射日光に長時間さらすとひび割れして、味が落ちます(らしい)。

なのでその太陽光を適度に遮ってくれるのが、「雲」です。

ずーっと雲がかってっていうのも問題なんですが、ずーっと太陽光が照らし続けるってのも問題・・

たまには母の見てない所でハメ外したいってことですね、米も。

太陽の項でも触れましたが、山に雲が掛かることにより山に雨を降らという役割でも一役買っています。

五月晴れの初夏はさわやかに。新緑の間を吹き抜け水田の水面を揺らし、

六月は梅雨空の元黒南風(くろはえ)が吹き、

本格的な夏の訪れとともに暑い季節が到来して暑苦しい風が吹く中、時折涼しげな涼風が稲間を吹き抜け稲を揺らし、風鈴の音が鳴る・・

日本人でよかったなぁと思うのは、ただ風が吹くという中にも様々な心情や機微、景色や情景を色々な言葉で美しく言い表せれるところだと思います。

ちょっと話は逸れましたが、稲の花は「風媒花(ふうばいか)」と呼ばれ、雄しべの花粉が昆虫に頼らずに風の力だけで運ばれて受粉をします。

開花時間は太陽の項でも触れたように午前中の短い間だけなので、とても重要な役割を持っています。

そして個人の主観ですが、風に揺られている稲を見てると・・・なんだか揺り籠に揺られているようで心地よさそうです。

豊富な水と栄養分の豊かな土は、稲が良く育つ水田をつくる為の超重要な要素。

人間の体は約60%が水で満たされているように、田んぼも同じくらい水で満たされています。

生命の源、田んぼの源、それが水です。

山から溶け出して流れてきた川の水は、山の栄養をふんだんに含んでいるので良質なお米を栽培するのにうってつけです。もともと田んぼの土の中にも栄養素は含まれているのですが、(マグネシウム、カルシウムなどなど)川から流れてくる水の中にも同様の栄養が含まれているので更に田んぼを潤します。追い飯的な。

そして水は生命の源。

夏になれば水田の中はオタマジャクシの学校、そしてカエルの大合唱。数多の虫達の住処となります。

我が家の真横に田んぼがあるので、就寝の際はカエル達の大合唱を耳にしながら夏の夜を過ごすのが通例であります。

いいお米を作る為には、土台となる良質な土を用意することが大切です。

米作りは土づくりから。土台がしっかり丁寧に出来ていないと良いものも育ちません。

むしろ一番大切な要素かも。米の収穫量はその田んぼの「地力」で大きく作用されます。

人に対して「あの人は地力がある」というように、土に対しても全く同じ事が言えます。(むしろ本来の使い方かも)

土の重要な要素としては

  • 栄養がふんだんに含まれている
  • 水はけが良い
  • やわらかい

です。特に栄養が大切なので土に肥料を加えて栄養を追加するのが一般的ですが、我が家では肥料を一切使用していません。それでも自然本来に携わっている土のパワーだけでも十分に育ってくれます。

清浄な土壌であれば、土壌そのものが家畜や人を養うに足るだけの野菜・作物を育むチカラを生み出してくれる・・・と我が家では信じています。

田んぼには土や水、植物もふんだんに存在しているので、勿論虫も無数に暮らしています。

様々な虫達が自然の中で命を謳歌していますが、稲にとっては天敵となる虫も存在します。

稲の葉や茎から汁を吸って枯らしてしまう「ウンカ」

稲の葉を食べる「ハムシの仲間」「バッタ類」

米の汁を吸い、汚れた米ははん点が出たり汚くなる「カメムシ類」

などなど、稲にとってはたくさんの良くないお友達がいます。

それなのに、お米食べちゃうのに神様?と思うかもしれませんが、違うんです。

そういった稲や米に危害を加えるのは、ここで言う神様ではありません。

そういったお米に危害を加える虫を食べてくれる虫の事を指します。

「害虫」の「天敵」ですね。「益虫」ともいいます。

  • 空中を偵察する「トンボ」「ハチ」
  • 水面や稲の間に陣取る「蜘蛛」
  • 水中をパトロールする「アメンボ」や「ゲンゴロウ」

これらは代表的な益虫になります。見つけたら退治しないように、そっと見守ってあげましょう。

(やっちゃんは蜘蛛死ぬほど嫌いですが)

作り手

そして神様の最後はお世話をする作り手です。

作り手が神様・・・ピンとこないですし、「神様」なんて大袈裟な言葉も恐れ多いですが、米作りには欠かせない重要な存在。

「米」という漢字は「八十八」という文字から作られた説があります。

「お米を作る過程で88の手間がかかる」という意味が込められているそう。

古くは縄文時代から日本で作られてきた米。その時代と比べると現代は文明が発達し、縄文時代よりも遥かに効率的に、かつ楽に作られるようにはなったと思いますが、それでも米作りは手間がかかります。自然にお任せしていても到底いいお米は出来ません。

そして自然の神様は気まぐれなので、いつも晴れている訳ではないし、穏やかな風が吹き続けるとも限りません。時には嵐や日照りもあるでしょう。様々な状況に合わせて適切な対処を施し、稲の健康に気を配り、稲に寄り添ってお世話をする。これは人間にしか出来ない育みなのです。

作り手と自然、様々な神様の助けを得て、稲は初めてその実りを頂けます。

田んぼの適切な管理も大事ですが、それと同じくらい大事にしている事が我が家であります。

それは

「愛情、想いを持って田んぼに接する」です。

現代の慣行農業では田んぼに一切足を踏み入れない農法もあるみたいですが、(マサキさん情報)

我が家の田んぼは常に足跡だらけ。

マサキさん曰く「入ったら入った分だけ、足跡が付いた分だけ良い米が出来ると信じている」

それだけ愛情と手間暇かけているんだと、マサキさんとやっちゃんは自負しています。

やっちゃんに至っては自然米が好きすぎて稲に向かって

「大きく育ってね」「美味しくなってね」

的な声掛けを行っています。

とにかくプラスの言葉を掛けて、稲にパワーを送っているとか。

そんな二人の夫婦ルールは

「田んぼの中では夫婦喧嘩をしない」

なんだとか。

どれか一つ欠けても米は作れない

以上が七人の神様達になります。

どれか一つ欠けても米は作れませんし、本当に沢山の「天の恵み」がもたらされてお米が出来るんですね。

言い換えれば「命の穀物」と言えるかもしれません。

そして米作りにおけるたくさんの知恵・・先人たちには尊敬の念が出ます。

我が家で作る米は「自然米」と呼んでいます。

無肥料・無農薬で自然の恵みだけで育み、寄り添い、手を加え、観察して・・

秋にはその恵を、命を家族みんなで頂いています。

このブログ「ななしん米」は、漢字にすると「七神米」と書きます。

「一粒のお米には七人の神様が宿る」という言葉を知り意味を理解した時

自然の恵みだけで米を育てる我が家の農法にピッタリな言葉だなぁと

家族で話してブログタイトルに決めました。

自然に寄り添った農業をテーマに、今日も自然米作りに勤しんでいます。

田んぼは、ミクロな自然界の縮図なんだなぁと感じる今日この頃でした。

我が家で栽培したお米を食べチョクにて販売しています。

下記が詳細ページになるので、宜しければ是非チェックしてみてください<(_ _)>

https://www.tabechoku.com/producers/25909

本日も最後まで読んで頂きありがとうございます。

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