自然米作り

田んぼの秋起こし、春起こしのメリット・デメリットは?

稲刈りが終って落ち着くこのシーズン、やっと一息ついたころ毎年悩むことがあります。

それは

「田起こしどうしようか?」

です。

我が家の田んぼは自然栽培でお米を育てています。これまで秋1回、春に1回起こしたり、秋起こしはせず春から起こし始めたり色々試してきました。

今回は

・秋起こし

・春起こし

・秋+春の2回起こし

実体験も含め、色々聞いたり調べたのでそれらのメリットやデメリットを自然栽培目線で書いてみようかと思います。

(すべての田んぼに当てはまるわけではありません。参考程度に)

秋起こしのメリット

1.春からの作業が少し楽に

秋に起こすと冬の間に雨や雪、風などの影響で凍結と融解が繰り返されて、土が自然に砕けていくことによって、土がふかふかになりやすくなります。

春には自然に団粒化した柔らかい土ができ、春作業がとても楽になります。

特に春から起こす場合と比べて、土が砕けやすいため田植え準備がスムーズになります。

2.雑草の発芽を遅らせる。

秋に土をひっくり返すと、表層の雑草種が深くに入り発芽しにくくなります。

我が家も毎年夏の除草には苦労させられていますが、コナギやホタルイなどの発芽を遅らせることが出来るため、雑草管理が幾分か楽になります。自然栽培でお米を育てるにはかなり重要なポイントですね。

3.有機物の分解が進みやすい

わらなどの有機物を秋にすき込んでおくことで、冬の間にゆっくり分解が進みます。

逆に秋起こしせず、春から起こし始めると分解が間に合わずガスが発生し、根の生育不良になる可能性があります。

4.冬季湛水と合わせると抑草効果が高くなる

秋起こし→表層を砕く→冬季湛水という流れは、雑草抑制や地力安定に非常に相性が良いと言われています。

今回我が家が冬季湛水を行うのは抑草部分が大きいです。

これに関してはまだこれから実践ですので、効果の程は追って報告したいと思います。

秋起こしのデメリットは?

1.乾燥しすぎると土が固まりやすくなります

これは特に粘土質な田んぼで起きるらしいのですが、秋に深く起こしすぎると、冬の間に乾燥してがちがちに固まってしまうことがあります。

もし自分の田んぼの土質が粘土っぽいなと思う方は浅めに起こすのが安全みたいです。

我が家の田んぼはどっちかっていうと砂っぽいのですが、いつも浅起こしで行っています。

2.秋が乾燥しすぎると効果がうすれる

秋起こしは、冬の雨と雪、凍結があってこそ効果が出ます。もし雨が少なかったりすると、期待するほど自然砕土進まないことがあります。

春起こしのメリット

1.雑草の刺激を避けられる

秋起こしで雑草の発芽を遅らせることが出来ると書きましたが、クログワイなどの土の中に塊茎を持つ草は別です。

塊茎類の雑草は、秋起こしによって刺激され、春に一斉に発芽されることがあるようです。

クログワイやオモダカなどが多い田んぼは秋起こしはせず、春起こしから始めた方が安全かもしれません。

またそれらの草は冬季湛水と3月の乾燥を合わせることでで抑えられると聞きました。

秋起こしをする場合でも冬季湛水と3月の乾燥が出来れば抑草できるかもしれません。

2.冬の間に土が締まりすぎない

秋起こしをしたときに、乾燥した冬だと土がガチガチになることがあると書きましたが、春起こしの場合はそれがありません。

春の湿った時期に起こす方が柔らかく仕上がりやすい場合もあります。

3.冬の間微生物が安定して活動できる

秋に起こさないことによって、田んぼの中の微生物がゆっくりと活動し続けられます。

秋起こしをすると、土に空洞ができ寒さによって分解が止まり、嫌気発酵などのリスクが出ることがあります。

春起こしは、微生物の分解活動の立ち上がりと耕すタイミングがだいたい揃うため、微生物の負担になりにくいそうです。

4.わらの分解が間に合えば春起こしの方がいい場合も

わらが少ない田んぼは、秋に無理に起こさず春に起こした方がいい場合もあります。

秋に起こしても効果がうすい可能性があるようです。

秋の作業が1個減るのでちょっと楽ですね。

春起こしのデメリット

1.わらが多い年は分解が間に合わずリスクになる

春起こしだと、わらがそのまま残りがちで、ガス障害や田植え後の根の伸び遅れを起こす可能性があります。

また分解が進んでないと、水を張ったときに大量のわらが浮いて、田植えの邪魔になることもあります。

2.土が乾きにくく、いい感じに砕土できない場合がある

春は気温が低い、湿っている時期があるため、とくに粘土質な田んぼでは春だけで仕上げるのが困難な場合もあります。

4.雑草がすでに準備を始めている年は逆効果になる場合がある

春が早くに温かくなる年は、草の発芽が進んだところに春起こしをすることになるため、土の下に沈んでいた草の種が表層に上がってきてまた発芽して草だらけになってしまうことがあるみたいです。

我が家の田んぼは今年これでした。本当に除草が大変だった・・・

秋起こし・春起こしの2回のメリット

1.わらの分解が無理なく進む

秋:わらをすきこむ

冬:微生物がゆっくり分解

春:表層のわらを軽く混ぜて土をならす

という流れになるため、ガス障害が出にくかったり、根の入りがよくなったりします。

2.冬季湛水との相性もいい

秋に起こした後、冬季湛水をすると、雑草抑制、地力安定に効果があります。

春にもう一度浅く起こすことで、湛水で浮いた藻や草の残骸も混ぜ込んで綺麗にできます。

3.秋の自然砕土+春の仕上げができる

秋に起こしておくと、冬の凍結、雨、乾燥で自然に土がほぐれます。

春にはその土を軽く整えるだけでベストな状態になりやすくなります。

秋起こし・春起こしの2回のデメリット

1.耕す回数が増えるため微生物への負担が増える

耕す回数が増えると表層の微生物層、土の呼吸に影響を与えます。

自然栽培としてはあまりやりすぎると土を弱らせがちです。

2.作業量が増える

秋に1回、春に1回だと、体力、時間、トラクターの燃料代もバカになりません。

労力的には一番重くなります。

3.草の状況によっては春起こしで逆効果になってしまうことも

春が暖かい年は草の発芽が進んでいて、種子を刺激してしまい草が増えてしまうことがあります。

春起こしは「気温が上がる前」に行うことが大事になります。

秋、春に1回づつ起こすなら「浅く!」

起こすときの深さは

秋:5~8センチ

春:3~5センチ(表面の混ぜなおし程度)

深くやりすぎると

・層が乱れる

・土が固まる

・草が増える

・微生物が減る

ため、自然栽培では逆効果になってしまうことがあるそうです。

どの田んぼにどれが向いている?

秋起こしが向いている田んぼ

・わらの量が多い

・冬季湛水する

・種系雑草が多い

・春が忙しい

・粘土質でも浅起こしできる

春起こしが向く田んぼ

・クログワイ・オモダカなどの塊茎系が多い

・秋に乾燥しやすい

・微生物の負担を減らしたい

・わらが少ない年

秋・春起こすのが向く田んぼ

・冬季湛水をする

・わらが多い

・土を安定させたい

・作業時間が確保できる

ちなみにななしん米は・・・

我が家は今年は

秋起こし(浅く)→冬季湛水→乾燥→春起こし(浅く)→代掻き

②秋起こし(浅く)→春起こし(浅く)→代掻き

でいきます!

我が家の田んぼは、自然栽培でお米を作っているため抑草が重要になります。

比べてみるためにも、冬季湛水する田んぼとしない田んぼで比べてみようかと思います。

またその効果の程もブログに載せれたらいいなと思います。

今回書かせて頂いたのはあくまで参考程度です。

どの時期の起こし方にも言えますが、トラクターで起こすときの深さ、その年の気温、雨が多いか少ないか、わらの多さ、冬季湛水するか、雑草の量はどうか、種類は?など色々な要因があります。

農家毎年1年目という言葉があるように、同じ年はありません。その年の田んぼの様子を良く観察してどうするかを決めた方がよさそうです。

こうしよう!と決めて実践して効果が出るのが何か月も先。失敗すると草との闘い、頑張った割に収量がそこまで上がらず・・・我が家は毎年です(笑)

今回も色々試しますが失敗するかもしれません。

ただその試行錯誤が楽しいんですけどね。

本日も最後まで読んで頂きありがとうございます。

ブログランキングにも参加していますので1日1回応援クリックお願いいたします!

↓↓↓

ブログランキング・にほんブログ村へブログランキング参加してみました。よかったらポチっとお願いします♪

COMMENT

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です